水色の散歩道

  手をつないで紅葉散る中を歩いていたはずなのに、いつの間にか桜並木を歩いていた。

「綺麗」

 目の前の桜がすべて地面を埋め尽くしたところ、君は僕の手を振り切って走っていく。地面に落ちた桜が真っ白で、君が踏み抜いたところだけが薄水色をして、僕はその水色を追いかけて君を捕まえようと懸命に走る。

「じゃあね」

 めちゃくちゃに走り回って、もうあと少しで君を捕まえそうだって時に、君は股のぞきをして舌を出す。君の下着の色が見えたとき、僕はすぐに落っこちた。


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